映画『グレイテスト・ショーマン』のあらすじと感想（ネタバレあり）

19世紀のアメリカを舞台に、実在する人物P・Tバーナムの半生を描いたミュージカル映画「グレイテスト・ショーマン」の作品概要・ネタバレを含むあらすじ全容・感想を徹底解説します。

本と英語圏での評価も比較しながらご紹介します。

映画『グレイテスト・ショーマン』の作品情報

映画「グレイテスト・ショーマン」は、日本国内での興行収入が50億円を突破するなど、圧倒的な人気を集めたミュージカル映画です。

ミュージカル俳優としてお馴染みのヒュー・ジャックマンが主演で、「ハイスクール・ミュージカル」からザック・エフロン、「スパイダーマン」シリーズからゼンデイヤなど豪華なキャスティングも注目されています。

映画「グレイテスト・ショーマン」の基本情報とキャストの一覧を見ていきましょう。

映画『グレイテスト・ショーマン』の基本情報

公開日	2018年2月16日
制作国	アメリカ
原題	The Greatest Showman
上映時間	105分
監督	マイケル・グレイシー
脚本	ジェニー・ビックス、ビル・コンドン
音楽	ベンジ・パセック、ジャスティン・ポール

映画『グレイテスト・ショーマン』のキャスト

登場人物	キャスト
P・T・バーナム	ヒュー・ジャックマン
フィリップ・カーライル	ザック・エフロン
チャリティ・バーナム	ミシェル・ウィリアムズ
ジェニー・リンド	レベッカ・ファーガソン
アン・ウィーラー	ゼンデイヤ
レティ・ルッツ	キアラ・セトル
W・D・ウィーラー	ヤーヤ・アブドゥル=マティーン2世
トム	サム・ハンフリー

映画『グレイテスト・ショーマン』の評価

Filmarks（日本）	★4.1/5.0
IMDb（英語圏）	★7.5/10
ROTTEN TOMATO批評家（英語圏）	56/100%
ROTTEN TOMATO一般（英語圏）	86/100%

映画『グレイテスト・ショーマン』のあらすじ

映画『グレイテスト・ショーマン』のあらすじをご紹介していきます。

ネタバレを含んでいるので、まだ見ていない方は気をつけてください。

あらすじ1：バーナムの野望

主人公のP・T・バーナムは、低所得層の仕立て屋の息子として父の手伝いをする日々を送ります。

ある日、訪れた屋敷で娘のチャリティと出会い、ふたりは一目惚れをし、大人になった二人は、両親たちの反対を押し切り、「豊かな暮らしをさせる」という約束のもと、結婚。

ふたりのかわいい娘にも恵まれ、幸せに暮らしますが、バーナムは、チャリティに豊かな暮らしをさせてあげることができずに悩んでいました。

そんなある日、ちょっとした嘘を交えて交渉した結果、銀行から多額の融資を受けることになります。

バーナムは、持ち前の奇想天外さを生かして、街のど真ん中に、今まで見たことがないような奇妙な美術館を創設。

物珍しさ故に、多くのお客が足を運びますが、それも時間と共に人々の関心は去り行き、バーナムは、融資の返済が滞ってしまいます。

途方に暮れているとき、ふたりの愛娘が「動物の剥製じゃなくて生きてないとダメ！人魚やユニコーンなんていいじゃない！」と話すのを聞き、バーナムはあるアイデアを実行することに。

黒人、髭の生えた女性、小さな大人、巨人など、今まで街の中で虐げられて、陰に隠れて生きてきた「変わり者」たちを集めたサーカスを開く計画を立てるのです。

彼らのコンプレックスをエンターテインメントとして昇華させたパフォーマンスは、町中の人たちを虜にし、何度も足を運ぶ人たちが続出。

大成功したと思われた一方で、上流階級や批評家たちは、バーナムのショーは、「ペテン」でしかないと痛烈に批判し、一部の住民からは、強いバッシングを受けることになります。

あらすじ2：フィリップとの出会い

そんなある日、バーナムは、上流階級が嗜む演劇業界で、どこか居心地の悪さを感じていた青年・フィリップと酒場で話をします。

フィリップにショー売上の10%を渡すという内容でパートナー契約を結ぶのです。

毎日、忙しく過ごすバーナム。

家庭に入るお金も多くなり、結婚前に約束した「豊かな暮らし」を手に入れたものの、チャリティは家族みんなで過ごす時間が減ってしまったことに、幸せな気持ちを感じられずにいました。

バーナムは、フィリップの持つあらゆる人脈やコネを駆使して、エリザベス女王に挨拶をする機会を手にいれ、ショーのメンバー全員で王室へ訪問し、イメージ払拭に精を出します。

そして、王室内でヨーロッパで一番の歌姫と称されるジェニーと出会い、このチャンスを逃すまいと、持ち前の交渉術であっという間に自分のショーに出てもらう約束を交わすのでした。

そしてショー当日、ジェニーの歌声は想像を遥かに上回るもので、観客だけでなくバーナムの心も鷲掴みにします。

今まで「ペテン」と呼ばれ、寄せ集めのショーをしてきたバーナムですが、「本物の歌声」に価値を見出し、早速全米ツアーの計画を立てることに。

初めからいたショーのメンバーたちとの交流が極端に減り、ジェニーの公演ばかりに集中するバーナムに不信感を募らせるフィリップの声もバーナムには届きません。

より大きなチャンスを掴むために、バーナムは、ショーのメンバーたちとフィリップ、そしてチャリティと愛娘2人を置いて、ジェニーと全米ツアーへと消え去っていくのでした。

ジェニーの歌声は全米から大絶賛され、バーナムの評判もうなぎのぼり。

あらすじ3：バーナムの転落と復活

全米ツアーをする中、ジェニーはバーナムがこのまま自分と一緒にいてくれるのだと思い込み、喜ばしい気持ちを言葉にします。

そこで、ジェニーから好意を寄せられていることに初めて気づいたバーナム。

バーナムにとってジェニーは成功のために必要なパートナーでしかなかったため、ジェニーの気持ちを知ったバーナムは、ジェニーを残してひとり家族の元へ帰り急ぎます。

家では、最愛のチャリティと愛娘2人がバーナムを温かく迎え入れるのですが、ショーの劇場が放火にあったことを聞かされます。

急いで向かうと、すでに時遅く劇場は炎の渦に飲み込まれていました。

さらに、バーナムがステージ上でジェニーからキスされている瞬間をスキャンダルとして撮られてしまい、家に帰るとチャリティと娘たちはどこかへ消え去っていました。

全米ツアーが途中で終わったこと、ショーの劇場が燃えたことで、借金の返済にめどが立たず、仲間からの信頼と家族からの愛を一度に全て失ったバーナムは、初めて自分の失態に気付きます。

ショーの仲間たちがいる酒場へ行き、許しをもらったバーナム。

フィリップは、バーナムの暴走を恐れて10%の収益を貯金していたこともあり、ショーを復活させる目処が立ちます。

そして、チャリティたちのいる屋敷へと再訪し、やり直すチャンスをもらいに行きます。

バーナムにとって大切なのは、成功やお金ではなく、家族の幸せだったのです。

バーナムは、持ち前の奇想天外なアイデアを生かして、ショーを復活させたのち、リーダーの立場をフィリップに譲る決心を固めます。

フィリップが率いるショーは、町中から愛され、バーナムは家族の待つ家へと帰っていくのでした。

映画『グレイテスト・ショーマン』の感想

実際に、映画『グレイテスト・ショーマン』を観た感想をまとめました。

感想1：たくさんの名曲が誕生

映画「グレイテスト・ショーマン」では、全ての楽曲が名曲と言えるほど、サウンドトラックが充実していました。

というのも、映画「グレイテスト・ショーマン」の楽曲を手掛けたのは、前年度のアカデミー賞・ゴールデングローブ賞で音楽賞を受賞したベンジ・パセックとジャスティン・ポールが携わっていたのです。

日本でも話題になったのが、「THIS IS ME（これが私）」という歌。

自分の容姿を理由に隠れて生きてきた髭生えた女性が、「誰かが傷つけようとしても負けずに立ち向かう」「私のあるべき姿はこれで、この姿を愛する」といった内容の歌詞となっています。

自己愛を持つことの美しさと、自分を愛することで生まれる仲間との結束力が感じられる「THIS IS ME」は、何度見ても鳥肌が立ちます。

キャストたちの歌に込める思いも強かったようで、ビハインド・シーンも感動的なので一緒にチェックしてみてください。

また、王室にてバーナムが出会うヨーロッパで一番の歌姫・ジェニーが歌う「Never enough」も大反響を集めました。

スクリーン越しで聞いて見ても「圧巻」で、バーナムはこのままショーの仲間や家族を見捨ててしまうのではないか…と多くの視聴者の不安を仰ぐことになるこの歌。

映画「グレイテスト・ショーマン」では、ヒュー・ジャックマンをはじめとするミュージカル俳優、ミュージカル女優たちが、演技をしながら歌を歌っています。

しかし、この「Never enoght」だけは、女優と歌手が違ったことが明かされたのです。

実際に歌を吹き込んだ歌手のローレン・オルレッドは、「Never enough」が自分のためにある気がして、この曲に自分が歌うイメージを添えたいと話し、オーディション番組で披露していて、驚きました。

映画「グレイテスト・ショーマン」で登場する「Never enough」とは、また一味違ったバージョンを聞くことができて、感動的です。

その他にも、キャッチーなリズムに、色鮮やかなセットに、中毒性のある振り付けで何度も本編を見直したくなるような楽曲がたくさん盛り込まれていました。

純粋に、ミュージカル映画として楽しむことができます。

感想3：実在するP・T・バーナムは、悪人らしい

初めて映画「グレイテスト・ショーマン」を見た時は、没頭感に浸ることができて、満足だったのですが、海外の映画批評などを見ると、痛烈に悪い評価をしているものが目立ちました。

その理由はなんだろうかと探ってみると、映画「グレイテスト・ショーマン」の主人公、P・T・バーナムが善人として描かれている点に疑問を抱いた人が多かったようなのです。

本編でも度々「ペテン師」と揶揄されているのですが、実在するP・T・バーナムは、正真正銘「詐欺師」なのです。

人々を楽しませるエンターテイメントを純粋な気持ちで届けようとしているというよりは、己の利益を追求したビジネスマンだったことが分かっています。

バーナムは、黒人や巨人、小人、髭生えた女性などをショーの仲間に迎え入れるのですが、実際は、もう少し残酷だったのです。

例えば、盲目で高齢の黒人奴隷を買い取り、ジョージワシントンの乳母だったと話したり、4歳の子どもを買い取り年齢を偽って世界一小さい人間と見せ物にしたり、オラウータンの下半身に魚を縫い付け、人魚の化石として展示したり…。

バーナムは、博物館を始めた時から、「本物」を何ひとつ使うことなく、自分の持つ奇想天外さを武器に「偽物」ばかりで利益を追求していたことが分かります。

バーナムが実際にやっていた内容を知ると、ゾッとしてしまいました。

そのため、P・T・バーナムという人物を知っている人たちからすると、映画「グレイテスト・ショーマン」は、あまりにも事実と異なるために評価できなかったのかもしれません。

「エンターテインメントなんだから」「フィクションなんだから」といって割り切って仕舞えばいいのですが、やっている内容が内容なだけに、高評価するのを躊躇する気持ちも分かります。

ミュージカル映画としても、作品のメッセージ性も清く前向きなものであるだけあって、実際の人物像とのギャップを知ると、複雑な気持ちになります。

ただ、映画の脚色は悪ではないですし、映画「グレイテスト・ショーマン」は何度見ても、多福感を与えてくれる作品であることに変わりありません。

映画『グレイテスト・ショーマン』の作品概要・あらすじ・感想 まとめ

この記事では、映画『グレイテスト・ショーマン』の作品概要・あらすじ・感想をまとめました。

動画配信サイトなどでも観られるので、ぜひ気になった方は、チェックしてみてください。

映画『グレイテスト・ショーマン』配信サイト一覧

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